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’17奈良秋散歩

’17大阪秋散歩


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2017秋 奈良・大阪散歩 
2017年11月5日(日)〜6日(月)
奈良国立博物館第69回正倉院展及びアベノハルカス美術館葛飾北斎展

ホルガーに寄り道

 10月29日に台風22号が近畿地方に接近とのニュースを耳にする。予てからの懸案である奈良国立博物館「第69回正倉院展」及びアベノハルカス美術館「葛飾北斎展」の鑑賞を実行に移そうと思っていた。台風の最中なら人出も少ないだろうと思ったからである。鳴門〜明石ルートが通れなければ,どうもこうもならないのであるが,台風は太平洋上を進行している。本土に渡ることができる。しかし,29日当日朝から妻の体調が良くないらしい。今日の決行は取りやめることにした。
 どちらの展覧会も期日終了が迫っている。次の週末が文化の日を起点に3連休となる。3連休最終日に出掛ければ・・・という発想が浮かんでくる。3連休の最終日に展覧会を訪れる人は少ないだろうと踏んだわけである。息子にも夏の休みから会っていない。時間が合えば昼ご飯を一緒にとも考えた。
 息子は滋賀県湖南市で一人暮らし3年を終了した。5日の朝自宅を出発。近くのセブンイレブンでおやつを購入。淡路サービスエリアまで走る。息子にこの日の昼食を断わられたため「三井プレミアムアウトレット三田」に向かうことにした。彦根城にも立ち寄ったことがなかったので滋賀まで行くのなら,ここも訪れてはみたかったのではあるが予定変更。神戸北から交通渋滞が始まる。全く動こうともしない。中国道の名塩パーキングに寄る。アウトレットを諦め,フジテレビ「よーいどん」に出ていたドイツ菓子店に向かうことにした。楠葉は,モールに一度行ったことがあった。電話番号検索で一発ヒット。目指す「ホルガー」には駐車場は無く,店の前に「トップワールド」(スーパー)があり500円の購入で90分の駐車ができる。ワインを購入し,トイレも拝借した。
 「ホルガー」でケーキを食べてみようということになり店内に入る。かわいらしい感じのショートケーキが並ぶ。ドイツらしさは感じられない。バウムクーヘンは売り切れていた。ダークチェリーケーキとレアチーズケーキを注文した。店内でも食べられるようでケーキセットにするとコーヒーが付いて550円になる。妻は店奥のご主人にテレビを見たことを報告していた。
 ケーキを食べているとドイツ人気質のご主人が「シュトーレン」を持って現れた。サービスで出してくれたようだ。ドイツのスイーツを日本に伝えるために若かりし頃「神戸屋パン」にやって来たそうだ。(私の叔父も神戸屋パンに勤めていた。)放送のあった翌日の2日は店の外にまで人が並んでいたそうである。八光とのツーショットの写真が「隣の人間国宝さん」のカードと共に並んで飾ってあった。昨年訪れたドイツで食べた記憶が無かったのではあるが,見た目ほど甘くもなかった。出来たてだったので,本来なら1週間常温で寝かせて食べると,しまって味が良くなるということだった。1週間後のシュトーレンも食べてみたくなりシュトーレンを購入することにした。

トップワールド駐車場から シュトーレン焼きたて 1週間後に

 エネルギー補給の後は本日予定していた「正倉院展」の開かれている奈良に向かうことにした。「正倉院展」はオータムレイトを予定していたので発券前の17時30分まで時間を潰さなければならない。オータムレイトに拘ったのは3年前スムーズに鑑賞できたという経緯があったからである。
 まず,今まで訪れたことのない「法起寺」に向かうことにした。コスモスの季節でもありガイドブックに掲載された季節と一致していたためでもあった。ガイドブックには「駐車場無し」となっていたが,無料駐車場が存在していた。中宮寺の隣に位置する。法隆寺の裏側になるためか観光客も少ない。日本最古の三重塔。創建は706年。拝観料は300円。境内を囲むように田んぼ?に植えられたコスモスと寺のコントラストを楽しみながらの散策散歩を楽しんだ。フォトポイントで脳梗塞を患ったであろう車椅子に乗った母親と夫婦らしき3人づれと言葉を交わす。「写真撮りましょうか?」なんて先に声を掛けられてしまった。お返しに3人の写真も撮ってあげることにした。初冬の陽光穏やかな午後の長閑な風景である。

法起寺

長閑な晩秋or初冬の日差しを受け,静かに古を語りかけるかのように佇んでいる。心をもリセットしてくれるかのようである。ゆっくりこの地を探索してみたい気持ちになった。人との出会いもまた良かった地でもある。

声を掛けられ撮って頂いたツーショット! 法隆寺のそれと類似する! 「るるぶ」には駐車場はないと明記されていたが・・・

 まだまだ時間がある。遅い昼食を行きつけ?の「テンテンカフェ」に行こうということになった。とはいうものの1〜2年余り寄ってない。最近では息子の包丁(三條小鍛治宗近本店)を買いに行った時以来になる。「テンテンカフェ」は故河島英五の家族が営むカフェである。元は奈良町にあったが現在は「夢風広場」(東大寺そば)に移転している。モンベルの隣に位置する。英五の息子の翔馬夫妻がオーナーを勤めている。昨年その夫婦に長男が誕生した。名前は「真志若:ましわか」:上から読んでも下から読んでも「かわしまましわか」ということになる。この命名の曰く因縁に付いては妻と代わることにする。
 交代!私たち夫婦の最初の結婚記念日に何か形に残るものをと二人で決めて購入したのが河島英五のCDだった。歌詞カードには主人の愛のこもった(笑)メッセージ付きで・・・。英五の人柄の温かさ,人としてのスケールの大きさ,飾らない自然さ,歌,すべてが好きだった。そして,コンサートにも足を運び,小学生だった我が子たちまで一緒に連れて出掛けていったこともある。英五が亡くなったときには三日間泣き通した。そして主人に「英五が亡くなってこんなに悲しい。あなたは死なんとってな。」と今から思えば笑い話のような言葉を真剣に話したりしたほどだった。(笑)
 その英五が毎日曜に毎日新聞にコラムを載せていたことがある。自宅では違う新聞を取っていたので,日曜毎にコンビニに走り,コラムを読んでいた。やがて,そのコラムが一冊の本になった。「ほろ酔いで夢見れば」というタイトル。自然や家族,そして何よりすべての人々への温かいまなざしと愛が溢れる文章満載だった。その中に「ましわか」君命名の件があった。あみるさん,あなむさんに次いで男の子が産まれた!名前をどうしようかと考え,思いついたのが「ましわか」・・・,上から読んでも下から読んでも・・・。でも,家族の反対にあうと思い,ちょうどその頃旅していた北海道の雪の原野を元気に駆け回る馬たちの姿を見て感動し,長男につけられたのは「翔馬」という名・・・。今はその名に込められた願いそのままに逞しい父親になり,奥さん,家族とともに大きな夢を追い続けている。その翔馬くんにも二人の娘ができ,昨年には息子が誕生した。そして名付けられたのは「真志若」くん。内祝いに記された家族の思いはこうだ。「名前の由来:祖父が息子に名付けたかった名前を孫が受け継ぎました。「いいか男は大きな夢を持て」河島家男子のテーマである「真の志」を心に抱きながら「若草」の美しい奈良の地ですくすくと育って欲しい そんな想いで「真志若」と名付けました。」英五ファンなら恐らくみんな知っているであろうこの名付けのエピソードは,私たちの心も嬉しさでいっぱいにしてくれる感動話でもあった。英五自身は風になって今も世界中を旅して回っているように思うけれど,以降,私たち家族はずっと河島ファミリーの応援メンバーの一隅に加えさせてもらっている。(と思っている・・・(笑))
(ついでに・・・。5月末には主人に「ゆず」の20周年ドームツアーにも連れていってもらった!時々ひどい冷戦状態になることもあるが,私には過ぎた夫だと心から感謝している!これからも旅日記珍道中の連れ合いとして気長くお付き合い願いたいものである。(笑))

こちらに「テンテンカフェ」が・・・とでも言わんばかりに 「テンテンカフェ」夜景 過去の駐車場入り口付近に提灯のぼんぼりが・・・
主人と交代!
 夢風広場は,正倉院展鑑賞にはとても都合の良い立地であった。どの店でも2000円以上の買い物で2時間の駐車券を発行してくれていた。ご飯を食べてお土産を買うと4時間駐車可能であるわけである。東大寺や周辺の散策基地としては打って付けの場所であった。しかし,今回その駐車場の入り口が見あたらない。出口は確認できるのに。周辺を大きく迂回して再度トライするものの入り口が発見できない。
 たまりかねた妻がガードマンにその所在を尋ねに車を降りた。入り口も出口も同じになったそうである。7月からシステムを大きく変更したとのこと。3度目のトライでやっと駐車場に入ることができた。所定の位置に駐車するとアンダーガードが上がり自動的に時間が計測されていくそうである。駐車券の発行はない。2000円の買い物で2時間無料になるという売り込みは以前と同じである。2時間を超えると30分毎に500円チャージされるという。観光協会の人らしき人が解説してくれた。店では2000円の買い物で駐車場のコインが手渡される。それを精算機に入れることになる。同時に2枚使うことはできないという

正倉院展

年一回開かれる正倉院展。毎年この時期は混雑する。混雑を避けて連休最終日に訪れるのではあるが・・・。
もっとゆっくり見られればいいのにと毎回思う。

 やっとのことで食事にありつけることになった。もう17時近くになっている。トロトロオムレツとワッフルとコーヒーをオーダー。17時20分妻を残してオータムレイトのチケットを買うために奈良国立博物館へ。歩いて5分かからない距離である。一般入場もスムーズに流れている。無理に1時間待たなくても300円高くても早く入った方が後の流れに都合が良いと考えた。
 一般入場券を購入し再びテンテンカフェへ。妻はコーヒーを再オーダーしようとしている。即刻キャンセル。正倉院展へ向かうことにする。レジに向かうと,いないと思っていた真志若くんのお母さんAさんがいた。そこでしばらくAさんと話をする。真志若くんも元気に1歳を迎えたとのこと。よかった,よかった!徳島のおっちゃんとおばちゃんはずっと応援しているよ。

奈良国立博物館の夜景 正倉院展チケット 十六夜の月が美しく

 正倉院展には2年ぶりに訪れた。1300年余り前のものが現在にそのまま残っている。メインは未公開の6点。全部で58点の御物が展示されていた。当時の笛の音色も常時流れている。古文書については,その内容について少しも分からないのであるが,文字だけはその美しさが心に染み渡るように見える。拝観を終えて外に出ると十六夜の月が美しかった。
 駐車場に帰ると観光案内所は閉まっているものの例のおじさんが現れ出庫の操作を教えてくれた。

シェラトン都ホテル

 今日の宿泊地は天王寺。ハルカスに近いホテルを選んだ。シェラトン都ホテルである。8時過ぎに到着。部屋まで案内が付くものの部屋の様子が変である。ドライヤーがテレビの前にある。飲み残しのペットボトルの水もテーブルに残されている。ゴミらしきクーポンの束は,案内してくれた女性が持ち帰ろうとしていた。こちらが完全把握しているのに,もう遅いでしょ?と言いたくなる。この様子から彼女は手を打たなければ行けなかった。出て行こうとする彼女を呼び止め,部屋のチェンジをお願いした。少し待てとのことだが15分余り待っただろうか?フロントで受け付けてくれた男性が現れた。部屋の様子は彼女が説明できるはずである。「鍵の調子が悪かったのですか?」男性の発した言葉である。部屋の様子を彼に説明しなければならない。部屋のチェンジを要求。再び暫く待てとのこと。5分後,チーフらしき男性と共に現れる。「ステイ」の清掃しかしておらず使用していたものらしきものは,そのままの状態にしてあるとのこと。受付の男性のミスである。私たちは新規の客である。それだけで,そんな部屋に通すことがおかしいのに。言い訳にはならない。私たちも心の片隅でアップグレードを期待していたが,それはなかった。ハイアットでは,ネットで支払い済みにもかかわらず,カードの提示を要求されたことがあった。間違いを確認後部屋をアップグレードしてくれていた。
 部屋は24uサイズだった。3連休最終日はホテルのレートが下がっている。9月の横浜グランドインターコンチネンタルホテルも\11200だった。ここシェラトン都ホテルも税込み\10000となっていた。駐車料金も24時間\1000である。ここに駐車したまま「ハルカス」の「葛飾北斎展」に向かうつもりであった。ちなみにマリオット都ホテルは\24000駐車料金が\3000であった。
 9時を向かえようとしている。夕食は隣接する近鉄のダイニングフロアーでお好み焼きとビールで済ませた。三連休の最終日で閑散としている。近くのローソンで夜食を買って部屋に帰ることにした。アメニティは全て中国製であったがアメリカのホテルと比べても豊富ではある。

2017奈良・大阪 秋散歩(北斎展)