とある夏の日,妻が突然に「祈り」の映画上映があるとのたまった。日本では超ロングランの上映件数であるという。徳島近辺ではもう観られないと嘆いていた。その映画が新橋で上映されるという情報を得た妻は突然「祈り」の会に参加したいと訴えてきた。当然村上和雄先生も登壇講演される。4月に楽屋まで押しかけ,お話してきたばかりなのに・・・。映画が観たいということで,なけなしのマイルをはたき東京に出掛けることにした。日帰りでも時間的には納めることができたのではあるが,折角東京まで行くのだから付加価値を付けなければもったいないと言うことで以下の計画を立ててみた。
2016年10月23日〜24日予定表
23日の行程予定
06時00分 起床
06時30分 出発
07時45分 徳島阿波踊り空港発
08時55分 羽田空港着
09時30分 浜松町着・・・徒歩
09時40分 三井ガーデンホテルイタリア街(荷物預け)
10時00分 汐留駅〜築地市場お買い物&ブランチ(海鮮)
どこかに寄れる
12時30分 ゆりかもめ新橋駅前「スペースFS汐留」開場12時
17時30分 終了予定
18時00分 バーデンバーデン(ドイツ料理)旧友再会
24日の行程予定
07時30分 起床
朝食:早く済めば早めに出る。
10時00分 新橋まで徒歩10時07分→西日暮里(千代田線)10時28分発
10時42分 亀有での滞在60分くらい11時43分発金町乗り換え
11時54分 柴又
13時39分 柴又(1番線)→京成高砂(1・2番線)→羽田空港国内線14時48分着
15時35分 羽田空港発
16時50分 徳島阿波踊り空港着
23日6時前に目が覚める。コンビニに立ち寄ることもなく空港へ。1日200円のパーキングが空いていた。前回は小銭が無く(現金)このパーキングを諦めざるを得なかった。前回の反省から400円を持参。自動券売機で前払い制度である。アラスカの氷河クルーズの時と同じシステムである。
手荷物も機内預けにならないようコンパクトにバックパックに詰め込んだ。搭乗前にビールを買い込み,いざ上京。左手に富士山がいつもより大きく視界に入ってきた。雲海に浮かぶ富士山が確認できた。定刻を少し過ぎたものの晴天下の羽田空港にランディングした。機内預けも無いものであるから出口よりさっとモノレール乗り場へ移動する。
スイカに3000円をチャージ。妻は2000円。1000円の差は何なのだろう?モノレールに乗っている間中,考えに考える。前回のコインロッカーの支払いを私のスイカから行ったことを思い出した。乗ったモノレールは先頭。座席は運転手のすぐ後ろ。180度のパノラマビューで浜松町まで周辺の景色を久しぶりに堪能した。前方も右側も左側も見えるので大人心でも楽しい。おまけに快速だったのでスピーディー。
手荷物をホテルに預けようと浜松町から「三井ガーデンホテルイタリア街」まで徒歩移動。日曜日とあって辺りは閑散としている。とても静かな散歩を楽しめた。最近までの夏の空気が秋の空気へと入れ替わり,落ち着いた都会の喧噪。5分も歩くと目指すホテルが現れた。受付は小さく予想をはぐらかされた気分だったが,フロントの青年は愛想良く,てきぱきとこちらの要求に対応してくれた。
チェックイン前なので荷物を預け,築地にブランチを摂りに出掛けた。大江戸線汐留までのルート説明も明確で迷わず地下鉄に乗ることができた。一駅で築地市場に着く。予めネットで調べておいた「魚河岸千両」を目指した。私たちが入った時にはほんの数人しか入っていなかったのであるが,たちまち一杯になっていた。カウンターで海鮮のひつまぶしと海鮮をオーダーした。
築地では3回目の食事となる。前回は「お任せ」をオーダーした。最初に訪れたのは歌舞伎の観劇前に場内で海鮮をオーダーした時だ。人気店なのに生臭さが気になった。私は醤油をかけず山葵のみで食べるので魚の臭いには敏感である。今回は「海鮮ひつまぶし」なる物をオーダーしてみた。「魚河岸千両」である。ウニの山を端に寄せ,海鮮ミックスを堪能。次にウニと海鮮ミックスを混ぜ合わせ半分ほど食べる。残した半分にだしをかけ,お茶漬けで最後まで頂く。三種類の味が楽しめ面白いのであるが,自分の好きなように食べたいという想いが強く残った。次回は好き勝手に食べてみようと思う。
食後訪れたのは毎回訪れる「鳩屋 」初回、殻付きアーモンドを買ってからやみつきとなってしまった?
海鮮を食べるとコーヒーが欲しくなる。前回は浜松町ワールドトレードセンターでライオンキングの観劇前に。今回は新橋で村上和雄先生の講演前にゆっくりコーヒーブレイクを楽しんだ。
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進行方向左側に富士山。スノーキャップは無い。 |
最前列右隅の席から。先生の登場を願って・・・。 |
妻の隣に私。その横に村上先生が座っていた。 |
開場1時間前に会場に出向くことにした。
最前列右側に空席を確認した。最前列正面は関係者席の張り紙がしてあった。ここに登壇者も座るに違いない。会場内へのドアも最前列右隅に設置されている。この席に座っていれば村上先生とも多少のコンタクトがはかれるかも知れない。
妻は徳島からスダチと鳴門若布を100均の洒落た袋に持参し,司会者に託していた。前回は会場近くの花屋で小さなブーケを調達し会場係の方に託していたのであったが,これが功を奏し昼食中の先生ご夫婦に接見することができた。妻は先生の奥様との対面にえらく感動を覚えていた。
「祈り」の映画の後20分間の休憩。
スダチと若布が功を奏したのか?奥様がこの右前の扉から場内を伺ってきた。最前列に私たちがいたものだからか?近寄ってきて頂き,わざわざ隣に席にすわってくださり暫く談笑することができた。たった一度お目に掛かっただけなのに覚えていてくださったことに感動。
先生の講演に入る。いつもの如く自分のジョークに酔っている村上先生がいた。また新しい科学者らしくない研究企画を実行に移しているらしく将来に夢を持って突き進んでいるご様子が見て取れた。
講演を終えた先生は案の定右前の扉から会場内に入ってこられた。とても嬉しいことに私たち夫婦を見て話しかけて来られた。次の講師の講演も始まり会話も交わすことも少なかったのではあるが,先生が設けられた席に着こうとしない。私の傍らの空いた席に腰を下ろされ動こうとはしなかった。なんということでしょう?どうにかしてくれと司会者の方も私たちに訴えてくるのではあるが,本人が動かないのだからどうしようもない。いったい私たちは会場の人達にどう映っていたのだろうか?挙げ句の果てに,会場スタッフから「よろしくお願いしますね。」と声が掛かる・・。先生を?よろしく?
エステティシャンの今野華都子さんの講演が終わると司会者に促され,さすがに中央のご自分の席に動き始めた。誰も介助しないので,ぶしつけだとは感じたが先生の席までエスコートした。先生は5年程前脳梗塞で倒れられている。春にお会いしたときよりもしっかりは歩いている。
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スペース汐留 |
三井ガーデン汐留
ガリレア街 |
ホテル外観 |
その後SL広場で待ち合わせた高校以来の親友夫婦と合流。近くの銀座ライオンへ。
♪春は鮮やか菜の花畑(池袋のネオン街)で雲など眺めコップ酒
秋はすれ違う後ろ姿に(郷愁を感じつつ新橋で)面影しのび手酌酒♪
東京で年に2度目の食事会。
9時解散。新橋からホテルまで勘を頼りに歩いた。最短の道程を辿って戻れたことに自画自賛。ホテルに併設されているローソンで夜食を購入。チェックイン。荷物は運び込まれていた。13階に大浴場があるということだったので私だけそちらに向かった。
10月24日(月)
7時30分に起床。運動後ビュッフェへ。いつものごとくだらだらと朝食を摂る。
今日の予定は日本航空のディスカウントマイル指定の15時35分発羽田まで時間を潰すこと。潰すだけならもったいないので,こち亀の聖地亀有と寅さんの聖地柴又へ出掛けることにしていた。
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駅前の両さん |
亀有講演の両さん |
商店街の少年両さん |
チェックアウト後,浜松町駅までぶらぶら歩き,京浜東北線で西日暮里。日比谷線に乗り換え綾瀬まで。綾瀬で乗り換え次駅の亀有へ。駅前で早速両さんの銅像発見。5分に一組くらいの人が写真を撮っている。近くに交番もあり,その形はアニメとそっくりであった。礼子の像を捜すが発見できず。亀有公演の両さんと記念撮影をする。ダブルピースの小さな像にも会った。次に少年時代の両さんを訪ねることにした。握手を交わしお菓子屋で両さんの柔らかせんべいと金時飴をゲット。暫くすると眉毛の濃いお嬢さん達が向かって来るではないか。その迫力に圧倒されカメラを手にすることができなかった。マクド前で中川の像発見。駅前にも2体の両さんがいる。ベンチに腰掛けたのとお祭りのものが。礼子が気になりもう一度北口へ。交番とトイレの間に鎮座していた。なぜか胸の辺りが金ぴかに輝いていた。イタリアのジュリエット像のようだ。これから伝説が生まれるかも知れない。最初は二の足を踏んでいたような妻であったが,途切れることのない巡礼者達に感化されたのかその雰囲気を楽しんでさえいた。
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中川。敬礼! |
サトちゃんも「両さん」に |
イタリアベローナや
ミュンヘンの
ジュリエット像の如く胸が |
1時間あまりを過ごした亀有から金町へ。金町から京成柴又へと電車を乗り継ぐ。駅前に見慣れた寅さんが出迎えてくれる。こちらも月曜なのに巡礼者達が列をなしている。右手のお土産屋のお姉さんは口上をうたわせれば似合いそうな風体で金のうんこを売っていた。金運が付くそうである。近くに宝くじ売り場がある。参道の半ばに寅屋を発見。帝釈天に向かう。立派な松だ。真っ青な秋空に浮かび上がるかのように枝を広げている。お寺も相当古い。歴史を感じながら境内を一回り。寅さんの記念館へと足を進める。うららかな秋の日差しが気持ち良い。
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寅屋の草団子はおいしかった。その場で一串。 |
帝釈天にも歴史を感じるがこの松にも時代を感じる。 |
よ!寅さん!元気出して!
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寅さん記念館の入り口で看板と落ちた雪駄の説明をしてくれたおじさんにシャッターを切ってもらった。左足の雪駄が落ちていることから駅前の寅さんの右足を触ることで学業成就の御利益があるそうである。ゆっくり作品を回想しながら見学すればそれなりの趣がある。寅さんファンにはこたえられないものであることが見て取れる。道路を挟んで監督の記念館も併設されている。とてもコンパクトではあるが山田洋次の歴史が見て取れる。通路を辿ると荒川土手に出られ矢切の渡しもすぐそばではある。帰り際に寅屋で買った草団子はとてもおいしかった。一串に四個の団子。その上に粒餡がのっている。甘さもしつこくなくとてもおいしかった。
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黄色のジャンパーが
よく似合っていた。 |
遠近法を利用したスタ
ジオセットの模型が |
かわいい寅さん |
再び柴又駅へ。京成から京急で羽田に乗り入れることにした。予定していた時間より90分あまり早い。羽田でお土産をあさり,遅い昼食を摂ることにした。昨夜友人夫婦と入った銀座ライオンの空港4階店である。なぜか昼からビールが飲みたくなった。帰りの便は15時35分。この便に乗ればマイルの使用が少なくて済む便だったので迷わずチョイスした。徳島阿波踊り空港には出発が遅くなったせいで到着は17時を過ぎていた。
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少し歩くと「矢切の渡し」に |
柴又駅から上野方面へ。映画で良くみた光景である |
帰りは進行方向右側に富士山が見える。 |
ふらっと一泊二日の東京に出掛けたつもりだったが,思い返せばいろいろな人との出会いや体験があり意義ある旅となった。
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