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7月28日(火)
 赤道を越える旅行がどうなるのかは,過去の旅行で体験済であったにもかかわらず,まさかこんなことが待っていようとは・・・。朝焼けの蒼空をバックにアンデスの雪をかぶった峰峰が飛行機の窓の外から私たちを出迎えてくれた。心澄み渡る一時を味わうことができた。機上のご来光。しばらくしてサンチャゴ空港にランディング。
 飛行機を降り立つや一面の霜。私は声も出せず唖然としてしまった。まさか国際空港ともあろうところでタラップを使っているなんて・・・。徳島でさえ空港ビルから直接飛行機に乗れるではないか・・・!私の心の怒りは頂点に。空港ビルも暖房が入っていない。ふきっさらしのイミグレーション。そう。お察しの通り私の服装はマイアミを出た時そのままだったのである。家族3人がマイアミ空港でスーツケースから冬服何ぞを取り出すのを尻目にしていたその罰が当たったのであろうか?
 K氏夫妻は空港まで迎えに来てくれていた。私の夏の出で立ちを見て大笑い。空港からダウンタウンまでは1時間少々の道程で通勤ラッシュの時間帯と重なりいろいろな車を見ることができた。一番びっくりしたのが暴走バス。給料が歩合制だと言うことで納得はできたものの,余り乗る気にはなれない。そうこうしているうちにこれから1週間あまりをお世話になるK氏宅に着いた。このあたりは東京で言うなら麻布のような場所で各国の大使館が集まっている場所だという。

サンチャゴ空港
 K氏ご夫妻にわざわざ迎えに来て頂いた。私は冬服にチェンジ。
マンション内も広く大きい
 居候だったJ氏とも再会。彼は日本でALTだった。今は牧師さんになったとか・・・?
ベランダから外の眺め
 流石に都会の眺め。チリのサッカーワールドカップ出場が決まり外は騒がしかった。
 一方娘はというと,K氏の知り合いの女医さんに診ていただくことに。「ようれん菌感染症」だとのこと。ドラッグストアーで処方箋を見せ薬を購入。この日は安静。回復に1週間かかるという。それにしてもその薬の苦いこと苦いこと!どうしても飲もうとしないので,ビンの底で叩いて粉にしてスニッカーズと一緒に飲み込ませた。
 親二人はこの間に南米で一番大きいスーパーマーケットに連れて行ってもらいショッピングを楽しんでいた?子どもが熱で苦しんでいるというのに何という親なんでしょう。いいえそうではありません。これから1週間分の親子4人の食材を調達に行ったのです。日本で買う感覚より相当量を多く買ったつもりでいたのだが,じきに近くのスーパーに買い物に行くはめになってしまった。
 マンションに帰ってからはこれからの計画をじっくり練り直すことにした。急な病人発生という不測の事態を抱えてしまったからだ。娘は薬が効いているのか眠り込んだまま。夕食もそこそこに旅の疲れを癒すべくサンチャゴの初日は早めに寝ることに決め込んだのだったが・・・サンチャゴも私たち家族の到来を歓迎してくれたのかその夜は大きな地震をプレゼントしてくれた。

7月29日(水)
 2日目の朝。良薬口に苦しの言葉通り,娘の容態が回復。朝から賑やかなこととなった。それでも昼まではおとなしく部屋で過ごさせることにした。昼ご飯はメイドのイーリスさんの郷土料理に舌鼓を打った。イギリス人の知人Jとも会え明日のテニスも約束した。
 昼からはK氏の職場でもある日本人学校にお邪魔させて頂くことにした。小学生は30名程度で中学生も同じ学校で勉強しているそうである。子どもたちはスクールバスで登校しているそうである。テロとかの危険に遭遇した場合ルート変更も考えなければならないそうである。ガードマンも常時駐在していてシェパードの番犬も学校をガードしていた。アンデスの山々を背景にこぢんまりとしたとっても素敵な学校だった。我が家の子どもたちと言えば図書室で漫画を貸し出してもらっていた。この学校の子どもたちが見たらこんな名前の子いたのだろうかとびっくりするだろうに。
 夜は娘の様態も良くなったこともあり歓迎パーティを開いてくれた。チリモジャなど食べたことのないものやおいしいチリワインやビールなどもあったりして楽しい一時を過ごすことができた
南米最大の
 ショッピングセンター
 アンデス山脈を遠くに見ながら。食料を調達に
チリモジャ

 味は忘れてしまった。
郷土料理に舌鼓を打つ

 わいわいがやがや楽しい一時を過ごす。


サンチャゴ日本人学校
 シックな面持ちの学校。落ち着いた佇まい。
職員室
 流石に冬休み職員の姿はない。
校庭から校舎を
 こぢんまりとした良い雰囲気の学校だった。

7月30日(木)
 3日目。テニスの約束をしていたジェームスがやってきて男3人で出掛けた。なぜ,こんな所までやって来てテニス?なのかというとサンチャゴの青年海外協力隊のメンバーとテニスの試合をやることになっていたからだ。そのための体慣らし。
サンチャゴは7月は真冬。朝は霜が降りる程なのだが昼間は半袖・半ズボンでテニスができる気候である。山に雪があればスキーにも誘われていたのだがあいにく山に雪が無くスキーはできずじまい。

メトロ
 札幌と同じタイヤで走る地下鉄。
ダウンタウン
 流石にペルー人と間違われるわな?
何だったんだろう
      この建物
 わすれた。郵便局?

7月31日(金)
 4日目。今日はK氏ご夫妻と伴に市内観光に出掛けた。マンション近くのエルゴルフという駅からダウンタウンまで地下鉄で10分くらいの道程であった。まず,国立博物館へ行きチリのおおよそのことを知ることができた。チリは銅の産出量が世界一ということもありお土産には銅製品が目立っていた。
 午後からはテニスの試合。個人成績は3勝2敗だったがチーム成績は1位だったようだ 。

テニスの試合
 海外青年協力隊の皆さんと。
地下鉄駅
 日本と変わらない。通路が広いかな?
国立博物館
 モアイオリジナル。小さいけど。


世界最古の石?
 何を基準に決めた物なのか?見入る妻。
ロンゴロンゴや人形
 インカ文明の一部?ロンゴロンゴも。
アンデスのミイラ
 やはりオリジナル。

8月1日(土)
 今日はパシフィックオーシャンを見ようということになり車でお出かけすることに。2時間余りでバルパライソと言う軍港に着いた。途中レモン畑を珍しそうに眺めていると農家のおじさんがレモンを買い物袋いっぱい入れてもたせてくれた。レモンが木になっているいるのを見るのも初めてなら見ず知らずの人に物を頂くなんてい言うことも初めてだった。早速もぎたての檸檬を丸かじり。(歯が浮いてしまった。)感動物だった。また,ミモザの林も見物だった。高速道路の両サイドがミモザだらけ。桜のトンネルならぬミモザのトンネルだった。いろいろな観光スポットを案内して頂きお昼もシーサイドのレストランでシーフードをベースに料理を堪能させて頂きました。でっかいペリカンがガードレールに並んで海を眺めている姿にもびっくりさせられた。
 サンチャゴに帰ってからも明日はアメリカに発たなければならないと言うことでさよならパーティを中華料理店で開いてくれた。
 どこの国へ赴いても中華料理屋は見ることができる。中国人はいろんな国に散らばって頑張っているバイタリティを感じずにはいられなかった。

檸檬畑でレジ袋いっぱいの檸檬を頂く
 お返しに日本からのお土産を(こんな時の為に用意しておく。)愛想の良い優しい民族だ。
道路端に羽を休める
       ペリカン達
 動物園じゃないけど。
バルパライソのレストラン

 何を食べたのか覚えていないが、美味しかった記憶がある。檸檬がグレープフルーツみたいに大きかった。

8月2日(日)
 とうとう別れの日。朝からお土産の買い出しにご夫婦で付き合ってくれた。日曜日のためか開いている店屋が少なくお土産を探すのも一苦労。奥さんの値切りの鋭さに驚くや,唖然とするや,逞しい日本人妻を垣間見ることができた。お土産も沢山買い込み,イーリスさんのお昼ご飯をたらふく食し,いざ,サンチャゴ空港へ。5人乗りの車に6人と4人分の荷物を積みこんで空港へ。流石外交官ナンバー!大陸横断ハイウエイを眺めながら夢を馳せた。もう一度ゆっくりやって来たいな。そうこうするうちに空港到着。サボテンのジュースを飲み交わし,K氏ご夫妻との別れを惜しみながら出国手続きに・・・。

露天市場
 いろいうろな食材が所狭しとひしめき合っている。
アンデスをバックに
 雪のないアンデスで残念。
民族衣装の子どもたちと
 いろんなダンスを見せてくれた。

お土産売り場のおじさん
 最初は愛想のないおじさんだったが、最後に微笑んでくれた。
市内の高台から
 サンチャゴは空気が悪いらしく遠くが霞む。
空港にてお別れ
 最後にサボテンジュースで別れの杯。
 普通,出国に関しては,やってはいけないことが問われる。よって,問いに対しての答えには「ノー」で済むことが多い。アメリカの出入国では家族で対応させてくれた。しかし,ここチリでは一人一人が原則のようであった。息子や娘には何か聞かれたら「ノー」で押し通すように言い聞かせてあった。私が出国手続きを終えた後が息子だった。息子は出入国官と何か喋っている。何かややこしいことになりはしないかとつい大声で「ノーと言え!」と口走ってしまった。息子は何か慌てた様子で「ノー」と叫んでた。係の人は何かあきれたような表情で私たちを見ている。手でサッサと通れという仕草をされ無事息子は通関。「何を聞かれたの?」「○○か?」って。そう。「イエス。」で良かったのです。その後通った娘と妻はフリーパス。悪かったのか良かったのか不思議な気分になったのはご拝察の通り。
 これからマイアミまで来たときとは全く逆の行程で帰ることになる。真冬から真夏への移動である。来たときの心配はもういらない。暑ければ来ている物を脱いでいけば良いのだから。空港を8時過ぎにテイクオフ。飛行機から見るサンチャゴの夜景はとても美しくサンチャゴでの出来事をじっくりと思い返させてくれるには十分すぎるほどだった。サンチャゴさようなら。

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